オブジェクトの概念

※ オブジェクトとは

 オブジェクトとは内部に隠蔽された本質をもとに、ある目的に応じた外部インターフェースのみを介して他のオブジェクトと関係を持つ仕組(概念)です。(私の持論)
 本質同士は直接関係を持たず、一度インターフェースを介することにより本質への適切なアクセスを保証します。
 本質には属性(データ)や内部的な処理も含みます。

 一般的に人間は個人の性格(本質)に基づいた行動をとります。
 そして、他の人は、その人の振る舞いを見て間接的に性格を知ることができます。
 また、人間同士はそれぞれの性格をすべて知る必要は無く、時と場合によって必要な役割を性格に応じて演じます。

 図からわかるように、夫と妻との関係はうまく行きますが、夫と、課長である妻との関係は たぶんうまく行かないでしょう。
 つまり、会社の中では、たとえ妻であっても夫として振る舞うことはNGとなるでしょう。

 このように適正なインターフェースを介することにより不正なアクセスをふせげるのです。
 世の中のオブジェクトはおおむねこのような仕組みで成り立っているので、この仕組みを コンピュータのなかに持ち込むことで世の中をうまい具合にモデリングできるのです。

 しかし、人間の本質には本音と建前があって、その関係は非常に複雑です。


※ オブジェクト指向の利点(理想、目的)

  1. 実世界が持つ仕組みの概念と同じ様な概念でストレートにコンピュータ上に実世界を近似できる。
  2. アレンジ可能な半完成部品の活用(再利用)によりフルオーダー生産からイージーオーダー生産にできる。
    フレームワーク、デザインパターン、コンポーネントウエアの活用
    フレームワークのレベル = 車、TV、洋服
    デザインパターンのレベル = トラック、バス、軽
    コンポーネントウエアのレベル = ハンドル、タイヤ、ブレーキ
  3. 本質に基づくシステム構築
    単純で普遍的な本質を基にシステムを構築するので、世の中の変化やユーザーニーズに左右されにくい、息の長いシステムを構築できます。
    世の中の変化やユーザーニーズは業務や処理として吸収するのでシステム全体に及ぶ変更をブロックできます。
    やはり、本質が一番大切です。国の中では一次産業が本質に、二次産業が処理に、三次産業が業務に相当するでしょう。会社では製品が本質で管理が処理、営業が業務になりますかね。小麦がなければビールはできないし、ビールがなければ居酒屋はやって行けません。いくら政治や経済が発達しても一次産業や製品や技術者がないがしろにされている国や会社は息の短いシステムのように陳腐化への道をたどるでしょう。

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